今日は最近世間を賑わせていたシェアハウス・かぼちゃの馬車問題と私の実体験を重ねてお話しさせていただこうと思います。
実は私もシェアハウスを運営していたことがあるので、このビジネスの難しさを痛感していました。
私がシェアハウスを運営しようと決意した時期が、ちょうどかぼちゃの馬車が物件を増やし始めていた2013年10月頃でした。私の場合、最初からシェアハウス運営に興味があったわけではありませんでした。
2棟目に購入した物件の中に4LDKの広い部屋(旧々オーナーが住んでいた部屋)があり、この部屋がシロアリに侵されている報告を受けました。修繕見積費用は驚きの1100万円! さすがに通常のリフォームでこんなに大きな金額をかけても価値(家賃)を上げることは出来ないので、お金をかけるならば何か新しい価値を生み出せないか考えていました。
どのリフォームをどのタイミングで実施すべきか考えているうちに、シロアリ問題により入居者が退去してしまい、すぐに手を打たなくてはいけない状況に追い込まれました。
当時、東日本大震災から2年ほど経過していましたが、家族や友人との絆が重視され、「シェアハウス」が俄かに着目されていた時期でもありました。
私も半分は社会貢献・半分はビジネスと考えて、4LDKのシロアリハウスを4部屋の女性専用のシェアハウスにリノベーションしました。収益性を考えるなら、4部屋ではなくもっと部屋を切り刻むことは出来たのですが、居心地が良い空間を作るためにリビングも15畳ほど残しました。
顧客ターゲットは完全にかぼちゃの馬車と重なっていて、イメージしていたのは「地方から上京してくる単身者の女性」でした。十分なお金も持っていないでしょうし、そのような女性に住居を提供しようと考えました。
完成後、1カ月もしないうちに満室にすることはできました。
但し、入居者はターゲットとしていた地方から上京してくる女性ではなく、全員が社会人で、平均すると20代後半の年齢層になりました。1年ぐらいは安定していたのですが、1人退去。1カ月以内に次の入居者は決まったのですが、またすぐに次の退去者。普通のアパート経営に慣れていた私は、この動きの激しいシェアハウスの入退去に段々疲れてきました。
シェアハウスに入居される方は、できるだけ家賃を抑えたい人が多く、私も初期費用をあまり取らずに募集していたこともあり、気軽に入居してくる分、簡単に出て行ってしまう傾向がありました。普通の賃貸アパート・マンションよりもシェアハウスの方が「仮住まい」という感覚が強いのでしょう。
定期借家契約で1年更新という運用をしていましたが、1年の更新を迎える人の方が珍しく、それぐらいのペースで思った以上に人が入れ替わりました。そして、2016年6~7月に4部屋のうち3部屋がほぼ同時期に退去するという恐ろしい状況が発生しました。残った1人に原因があるのかとも思ったのですが、退去理由はさまざまで、偶然、同時期に退去が重なっただけでした。
そして、この3人の退去者のあと、次の入居者を決めるのが非常に大変でした。この頃からシェアハウスが飽和している感が出てきており、私の物件は川崎市にあったのですが、少なからず、都内にあるかぼちゃの馬車の供給過多の影響を受けたのだと思います。
仲介業者経由でなかなか決まらず、さすがに焦り始めた私は、シェアハウスのポータルサイト「ひつじ不動産」で募集をかけはじめ、入居希望者からの連絡を直接受けるように切り替えました。
私が内覧の案内を実施し、直接入居希望者と顔合わせをすることで、その場で要望を受けて交渉した結果、9月~10月で3部屋を一気に埋めることが出来ました。内覧に来た人の成約率を一気に高めることが出来たのです。交渉内容は、家賃減額や保証会社の有無(保証会社ではなく連帯保証人で良いかどうかの判断)、フリーレントなどの組み合わせです。
私が内覧案内まで実施出来たのは、私の住居から車で10分ぐらいのところに物件を購入したためですが、普通にサラリーマンをやりながらここまでやることは難しいと思います。
任せられる業務は任せた方が良いですが、委任者のパフォーマンスが落ちてしまった時の挽回策は複数考えておきましょう。
ちなみにシェアハウスのビジネスが本当に成り立つのか疑っていた私は、リノベーションする際に、普通の賃貸に戻せるようにという意味も含めて、過去の4LDKの間取りをほとんど変更せず各部屋に鍵だけ掛けられるようにしました。
また、定期借家契約を1年更新にしていた理由も、仮にシェアハウスのニーズが少なかった場合に1年後にファミリー用途に戻せるようにという思惑もありました。(通常、シェアハウスの定期借家契約は、入居者の中に問題児がいる時にその人を退去させやすくするためですが)
このようにビジネスと社会貢献の両方を実現するためには、慎重な検討の上、進める必要がありますし、もし検討が不十分な場合は「元に戻せるようにする」もしくは失敗しても再起できるよう「小さく始める」ことを意識すると良いのかなと思います。
結果的には昨年、このシェアハウスを含む一棟マンションを売却したため、その後のシェアハウスの運用状況は分かりません。ただ、通常賃貸を含むスペースマーケット業界はあっという間に供給過多に陥り、流行りすたりが激しく、参入するタイミングを誤ると大きな損失を被るリスクがあると実感しました。
ついでに、言及しておくと、見かけの利回りを上げるのは以下の二つのやり方で簡単に実施できますので、しっかり見極めましょう。
典型的な方法は、
1.「空間を切り刻む(シェアハウスのように1部屋当たりの部屋を小さくする)」
2.「時間を切り刻む」(マンスリー/ウィークリー貸しや、民泊のように1日単位で貸し出す)
1は、入退去の頻度が激しいので、思った以上に手元にお金が残らないです。
今回のシェアハウスのようなパターン以外にも、都内に1部屋10平米前後の新築アパートが乱立しているのが気になります。実は1棟、狭小アパートを買ってみたのですが、問題山積でした。次回、この話は詳しくさせていただきます。
2の方がまだビジネスとしての可能性が残っていると思っています。外国人観光客の需要を取り込める成長産業だからです。
しかし、
・エリアによっては供給過多気味
・購入時、融資も付きづらい
など、気を付けるべき点があります。
シェアハウスもそうでしたが、無理して融資を通して、一部の金融機関しか使えないようなスキームは、出口が限られてしまうので、まずは転貸等で実績を積んでいくのが賢いやり方かなと思います。
いずれも通常の賃貸のような安定性はなく、売上が安定せずに年間を通して見極める必要があり、売上計画通りには進まないでしょう。
失敗しないためには、一つは「表面利回り」に惑わされずに、手残りがいくらあるのかをしっかり精査すること。例えば宿泊業は代行費用・清掃費用・光熱費などを考慮すると、オーナーの手元に思った以上にお金が残りません。
そして二つ目に、手残りを試算する時に「サブリース」を当てにしないこと。ある一社のサブリースに依存するモデルは非常に危険ですので、その業者が無くなってしまった場合、どんな策があるのか。この当たりを精査したうえで参入すべきかを決めましょう。
不動産は「投資」ではなく「経営」ですので、「一回買ったらあとは配当金をもらう」という投資感覚でやり始めると失敗します。業界や競合の動きに注視しながら、参入の時期や場所を見極めましょう。
本日の日経新聞で面白い記事がありました。
その名も「すごろく型の人生より、RPG型の人生」です。
サラリーマンの人生設計を「すごろく型」と定義したんですね。
確かにサラリーマンは、ある程度レールを敷かれて、その上を淡々と進むだけの人生になりがちですね。
すごろくの出た目が大きければ早く出世できるかもですが、所詮、スピードの違いだけです。
敷かれたレールの上を進むのと何ら変わりありません。
一方でRPG型の人生。
自分で学び続けて、成長して、副業・複業を進めています。
人的なネットワークを構築して、事業を立ち上げることも出来ます。
まさに私が現在MBAを取得するために、通学している理由は、このような副業・複業を作るための人的ネットワーク形成が目的だったりします。
ここでネットワークを築いていけば、他の方のビジネスに不足しているリソースを補い支援出来ます。
敷かれたレールの上を歩くのではなく、自分の道を自分で切り開いていきましょう。
そのためには、優良なネットワーク作りが大切です。
不動産はあくまで家族を養う収入源で、お金のために働くのではなく、
自分の成長のために働くための準備期間です。
それも必要なく、自分のビジネスを立ち上げたいという方は、ご一報ください。
不動産だけでなく、ビジネスに不足しているリソースを補います。
こんにちは、溝口晴康です。
現在進行中のカプセルホテル買収についてです。
共同経営者となりそうな2人の知人と3/28(水)に現地を確認しました。
一番の問題点は、賃貸借契約書の継続有無となりそうです。
何と10年間もの定期借家契約を結んでしまっており、撤退しようにも違約金が発生してしまう。
そんな契約状況だったようです。
無茶苦茶な契約ですが・・。
これをどこまで外してもらえるかが勝負の決め手になりそうです。
一方で売上がどこまで見込めるのか。
こちらを精査している最中です。
具体的には、代行業者2社の意見を聞く。プロの意見を聞くということ。
もう一つは、本日、私が通学している経営大学院のメンバー間で
勉強会と題して私の買収についてみんなで意見を出し合う!
経営者の卵が集まっていますので、彼らの意見は貴重です。
困った時にどんなネットワークを持っているかが大事ですね。
皆さんも、積極的にネットワークを築き上げましょう。
私もそのネットワークを惜しげもなく、皆さんと繋げるようにします。
こんにちは、溝口晴康です。
先週、メガバンクが来訪して1か月に渡る借換の審査結果を連絡いただきました。
結果は、
残念ながらダメでした。
担当者とその上長は頑張って審査部に掛け合って頂いたようなのですが、メガバンクの壁は厚かったです。
その中でも一つ突破口を見つけました。
私の物件は現在はすべて新築木造だけが残ったのですが、劣化対策等級が付いている物件とそうではない物件の二つあります。
当然ですが、劣化対策等級2級が付いている物件は、融資期間も長くとれるため、借り換えもしやすくなります。
この劣化対策等級2級が付いている物件に狙いを定めて、追加で現金を入れることでメガバンクを開拓しようと思います。
一つ物件が売却できる見込なので、売却で得た現金の一部を有効活用します。
二か月以内にリベンジします。
不動産は、金融機関の開拓が肝となってきますので、多くの方とシェアしていきたいですね。
こんにちは。溝口晴康です。
本日、メガバンクが来訪します。
知人経由で紹介を受け、実に審査が1か月以上かかっています。
本日は担当者だけでなく、マネージャーも来訪されるようですが、
どんな話になるのか、期待と不安が入り混じっています。
数億円もの借入があるので、このうちの半数近くを借換できるとベターです。
都内の新築木造なので積算評価はあまり出ないので、過度な期待をさけつつ、アピールできることはしていこうと思います。
そして、夕方からは知人の簡易宿所プラン入れ。
ネットワークが出来上がってくるとお互いの強みを補完し合えるので良いですね。
不動産経営に関心がある方は、無料相談をしていますので、お気軽にご連絡ください。
みなさん、こんにちは。溝口晴康です。
本日は、事業継続の難しさの話をします。
私は不動産賃貸業を始めて、約10年が経過しました。
しかも、その間に売上・利益を増やしていくことに成功しました。
サラリーマンを継続しながらです。
自分の時間をかけずにここまで事業を成功させるって、ホントにすごいことです。
実は先ほど、とある提携先の事業が撤退すると報告を受けました。
かなり大きな企業の事業として、昨年後発ながら立ち上がった事業ですが、
わずか一年足らずで撤退とのことです。
広告宣伝費もかなりかけたはずです。
しかし、軌道に乗らず、撤退。
何か事業を立ち上げるというのは、きっとこれが当たり前なのでしょう。
差別化がはかりづらく、シェア争いになるビジネスは、早くはじめて顧客を囲いこむことが一番大切になってきます。
そういう意味では、不動産賃貸業は、後発で差別化がはかりづらくても生き残っていくことができます。
一番大きな理由は従業員を雇う・教育が不要であることです。
また商圏が狭いことも要因の一つでしょう。
大手の事業撤退の話を目の当たりにし、不動産賃貸業の安定性を実感しました。
まずは不動産で収入の柱を作りましょう。
不動産は100年時代を生き抜くために、必要な戦術です。
こんにちは、溝口晴康です。
皆さん、働き方改革していますか。
私はサラリーマンを続けながら、不動産経営を始めてリスクヘッジをして、
今では経済的・時間的な自由を手に入れています。
夜は、コンサル生(全員サラリーマン)のサポートやビジネススクールに通って時間が取れませんが、
昼間は自由な時間を過ごしています。
この時期は、子供が学校側の行事の都合(卒業式の準備など)で普段よりも早く帰宅することが多く、私も出来るだけ子供と一緒にいるように心がけています。
理由は、仕事に追われているサラリーマンや経営者の方が、小さい頃の子供の面倒を見ずに後悔している姿をよく見ているからです。
放っておいても子供は大きくなれば親離れしていきますので、子供が小さいうちは出来るだけ一緒に遊んであげましょう。
昨日は小学校1年生の長男の電車スタンプラリーに付き合い、元町中華街まで行ってきました。
食べ物の好き嫌いが激しい子供ですが、中華料理の食べ放題を堪能していました。
おかずでおなか一杯になったにも関わらず、デザートにゴマ団子・杏仁豆腐などを食べて、幸せいっぱいですね。
平日に子供との時間が過ごせるのも、不動産経営という強い仕組み作りのおかげです。
不動産以外にも副業・複業・起業のサポートを継続して実施していきますので、もし何かをやり始めたい方は問い合わせください。
強いチームで、通勤しなくても自宅で出来る副業・複業・起業を支援していきます。
こんにちは、溝口晴康です。
ご存知の方もいますが、私は基本自主管理です。
特に新築はトラブルも少なく自主管理で十分です。(昨日話した方は新築でも相当トラブっていましたが、その話は別途します)
わざわざ現地に行かなくても、十分に自主管理はできます。
唯一、共用部の掃除だけは現地に行かなくてはできないので、これだけはシルバー人材の方に依頼しています。
しかし、昨日、現地に行かなくてはいけない出来事が発生しました。
宅配BOXが、しばらくの間、全て埋まっているのでどうにかして欲しいという連絡が来ました。
知り合いの仲介業者にマスターキーを送って解除したとしても、結局その後、その荷物をどうするのかという判断をしなくてはいけません。
入居者が居れば、その方にお渡しすればいいのですが、誰の所有物か分からないものが出てきた時は、勝手に処分してしまって良いのか・・など遠隔で指示をするのが大変なので、直接現地に行くことにしました。
宅配BOXは5つあるのですが、そのうち2つは何も入っておらず。残り3つは入居者の荷物でした。
予め、期限までに取りに来ない荷物は処分すると通知をしていましたが、
現入居者のものだったので、一応お渡しして無事に5つ全ての宅配BOXが使えるようになりました。
せっかく現地(橋本)まで行くので、ついでになかなか会えない投資家仲間とランチしました。
質の高い情報を交換し合える仲間って大事ですね。
こんにちは。溝口晴康です。
先日、久しぶりに知人のアパート運営状況を聞きました。
神奈川県相模原市の某エリアですが、駅からやや遠いこともあり、満室で稼働させるために家賃を比較的安くして募集したようです。
結果、入居者さん同士のトラブル(主に騒音)も、あったり、入居者の半分ぐらいは退去してしまったり。
トラブルと入居率低下に悩まされたそうです。
それでも、良い経験だといって、かなり逞しくなった様子でした。
今では、トラブルの原因となった方も退去されるようですし、
繁忙期ということもあり申込前提で満室となったようです。
エリアによって、違いを再認識したわけです。
私のアパートも今年は退去が多く、3月末の退去もあるのですが、特別なことはしていなくても、実は昨日内見もされずに契約したいという方が現れました。
好立地(目黒区の某駅徒歩5分)と高スペックの設備が気に入られたようです。
一方、知人の新築アパートは、普通の立地で、建築コストを優先した低スペック物件です。
見かけの利回りは知人のアパートに軍配が上がりますが、長く保有するとしたら、やはり好立地に物件を寄せていくべきでしょう。
物件の希少性は、賃貸経営を進める上で、持続的に事業を続けるにはメリットとなります。
利回りだけを追わずに長期視点で物件を購入していきましょう。
好立地に土地から新築アパートを建てたいという方、是非ご相談ください。
こんにちは、溝口晴康です。
確定申告の時期ですね。
皆さんは自分で確定申告をやっていますか?
自分でやってみると、いろいろ気づきがあります。
昨年、物件を売却したのですが、計算してみると利益は4000万円以上。
売却で気を付けなくてはいけないことは、保有期間と次に売却する時期の2点だけだと思っていました。
一つ目の保有期間は、個人で所有する場合、5年間(売却する年の1月1日時点で5年間以上なので、実質5年+αの期間)を境に
譲渡所得税が長期か短期に分かれ、税金が20%近く変わります。
今回の私のケースは約6年間保有したので、無事に長期譲渡でした。
そして2点目に気をつけるべきは、次の売却時期。
これは課税売上が1000万円以上となると、課税業者となります。
不動産の売買は、金額が土地と建物に分かれますが、知らず知らずのうちに建物に消費税がかかっています。
売却した時に建物価格が1000万円を超えていると、2年後に課税業者になってしまいます。
つまり、今回の私のケースだと2017年度に売却して、課税売上が1000万円以上発生しているため、
2年後の2019年には課税事業主になります。
私が2019年に保有物件を売却した場合、知らず知らずのうちに建物の消費税を受け取っています。
消費税は売上が発生した場合「仮受」しており、仕入の際に「仮払」しています。
基本的にはこの差額を国に返還したり、国から還付されたりするのですが、
仮に2019年に建物5400万円(消費税400万円)で売却した場合、仮受消費税400万円を国に戻さないといけません。
消費税の話は複雑なので、税理士の先生に確認しましょう。
実はもう一点、売却の件で今回気づいた点があったのですが、話が長くなってしまったので、次回に持ち越します。